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2018年1月17日

訪日外国人旅行消費額が5年連続で過去最高額更新

観光庁は訪日外国人客の消費実態などを調査し、観光行政の基礎資料とするため四半期ごと(一期は毎年1月~12月)に訪日外国人消費動向調査を実施しています。調査実施期間終了時の翌月に結果の公表が行われます。

1月16日、観光庁は訪日外国人消費動向調査の結果として、平成29年年間と第4四半期の調査結果を公表しました(両方とも速報値)。

速報によると、訪日外国人旅行消費額は4兆4,161億円(前年比17.8%像)となり、年間値は過去最高額となりました。観光庁の調査結果では5年連続で過去最高額を記録したことになりますが、年間の訪日外国人旅行消費額が4兆円台に乗ったのは今回が初となります。四半期ごとの消費額をみても、平成29年の全ての四半期で、過去最高額を更新しました。査証(ビザ)要件緩和や消費税免税制度などの観光政策が成果に結びついたと評価できます。

4兆4,161億円の国別内訳を見てみると、①中国(1兆6,946億円、構成比38.4%)、②台湾(5,744億円、構成比13.0%)、③韓国(5,126億円、構成比11.6%)、④香港(3,415億円、構成比7.7%)、⑤アメリカ合衆国(2,503億円、構成比5.7%)となっており、上位5か国の国・地域のみで全体の7割以上を占めています。平成29年の第4四半期(10月~12月期)を見てみると、①中国(4,114億円、構成比36.1%)、②韓国(1,409億円、構成比12.4%)、③台湾(1,384億円、構成比12.1%)となっており、中国が年間を通した順位と同じく首位を独走していますが、韓国が台湾を上回って2位の消費額になっています。

訪日外国人1人当たり旅行支出を見てみると、15万3,921円と推計され、前年(15万5,896円)と比較すると1.3%の減少となりました。国別内訳を見てみると、①中国(23万円)、②オーストラリア(22万6,000円)、③イギリス(21万5,000円)の順位となりました。第4四半期(10月~12月期)をみた場合だと、1人当たり15万2,119円となっており、前年同期比で3.4%増加しています。

費目別の訪日外国人旅行消費額の構成比を比較すると、①買物代(37%)、②宿泊料金(28.2%)、③飲食費(20.1%)の順で多くなっています。買物代の国別内訳をみてみると、大量爆買いの中国が8,777億円となっており、突出して高い数値になっています。

宿泊料金の訪日外国人1人当たりの支出を比較してみると、イギリス、オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツなどの欧米豪の国々が上位を占めている点が注目すべきところです。特にイギリスが9万8,000円と高い数値になっています。飲食費の1人当たり支出においても、欧米豪が上位を占めています。これらのことから、欧米豪は人数シェアではアジア諸国と比較すると目立ちにくくても、一人当たりの消費力は高いことがわかります。

欧米豪の富裕層マーケットはかねてから着目をされており、新規観光客の開拓をより一層強化する必要があります。観光庁は積極的にプロモーション活動を展開しており、2017年7月には「欧米豪市場推進室」を設置しました。日本政府は東京オリンピックが開催される2020年には年間訪日外国人旅行消費額を8兆円にする政策目標を掲げています。今後も継続して個人消費額を底上げしていく政策がとられていくものと予想されます。