リクルートが民泊事業参入を決定
2018年1月17日、リクルートグループは、Airbnb, Inc.(エアビーアンドビー・インク、以下「エアビー社」)と業務提携して民泊事業に新規参入することを発表しました。住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される6月15日以降にサービスが開始されます。
エアビー社は言わずと知れたサンフランシスコに本社を置く世界最大の民泊仲介サービス業者です。エアビー社の全世界での物件登録数は約400万件に及びます(2017年8月時点)。
日本市場で違法民泊対策を強化する必要性に迫られていたエアビー社にとって、不動産に関する総合情報サイト「SUUMO(スーモ)」を有するリクルートグループとの提携は、良質な民泊施設物件の供給を得られるメリットがあると思われます。
リクルートグループは、SUUMOから民泊に使える物件情報をエアビー社に提供し、宿泊者を募集します。リクルートホールディングス(HD)傘下でSUUMOを運営する株式会社リクルート住まいカンパニー(本社・東京都港区、以下「リクルート住まいカンパニー」)は、借り手が見つからずに空室になっている物件の契約空白期間を民泊事業に活用することを賃貸管理会社やオーナーに提案していきます。
民泊施設として使うことが決まった物件の民泊運営は、リクルート住まいカンパニーが提携している民泊運営代行業者に委託して行います。清掃や予約管理など面倒な業務を全て代行することでオーナーの負担を軽減します。物件情報は、エアビー社などが運営する民泊仲介サイトに掲載されます。
今後、民泊事業参入を決めている楽天グループとの熾烈な競争が予想されます。楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY株式会社は、怒涛の勢いで海外の民泊プラットフォーム運営会社(HomeAway、AsiaYo.com、途家、Booking.com)との業務提携を進めており、訪日外国人観光客の取り込みを図ろうとしています。2018年6月中旬に開設予定の民泊向け販売仲介サイト「Vacation STAY」(仮称)の登録物件情報を海外の提携各社に供給していく予定です。民泊物件は国内向け旅行予約サイト「楽天トラベル」にも掲載されます。
楽天グループの民泊事業に共同出資している株式会社LIFULL(本社・東京都千代田区)は、SUUMOと競合する不動産情報サイト「LIFULL HOME’S」(ライフルホームズ)を運営しており、物件登録数ではSUUMOの600万件台を上回る日本最大の820万件を誇っています。