2018年2月21日
旅館業法の今後の動き
住宅宿泊事業法(民泊)の制度の下で合法民泊を営業する上では、旅館業法の動きは気になるものだと思います。民泊とホテル・旅館は競合するからです。現に、ホテル・旅館業界は民泊解禁に猛反発をしてきました。民泊業界としても、ホテル・旅館保護を目的とした参入障壁のためにもどかしい思いをしている状況があります。
こうした中、ホテル・旅館業界を懐柔する政府の意図があるのでしょうが、旅館業法の運用面で規制緩和が進んでいます。2017年12月15日公布の「旅館業法の一部を改正する法律」に対応して、2018年1月31日には新たな政令が交付されました。
① 最低客室数の廃止
② 洋室の構造設備の要件廃止
③ 1客室の最低床面積の緩和
④ 玄関フロントの基準の緩和
⑤ 暖房の設備基準の廃止
⑤ トイレの設備基準の緩和
といった大幅な規制緩和がされています。
特に、④の設備要件緩和はこれまでホテル・旅館開設の大きなハードルになっていたので影響が大きいと思われます。指紋認証や顔認証を含むICT設備で本人確認を可能にすれば条件クリアできるようになりました。
今後の動きとしては、「ホテル・旅館」と「簡易宿所」の統合が検討されています。「簡易宿所」の許可を受けて民泊を営業している事業者もいるのですから、ホテル・旅館・民泊の違いは曖昧になっていくと予測されます。