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2018年1月7日

静岡県が民泊条例案を発表

2018年1月5日、静岡県は、2017年6月16日に公布された住宅宿泊事業法(民泊新法)に対応して、「住宅宿泊事業法第18条に基づく事業の実施の制限に関する条例(仮称)」を発表しました。静岡県は、県民からパブリックコメントを2018年1月5日から1月18日まで募りました。条例案は2月の県議会定例会に提出されます。議会で成立した場合は、条例の施行期日は民泊新法と同日の今年6月15日が予定されています。

静岡県内にある世界遺産富士山は国内外から人気の観光地です。富士山だけではなく、温泉などの観光資源に恵まれているので、今後ますます民泊事業が盛んになることが予想されます。その一方で、民泊の規制緩和について県民からの不安の声が根強いため、騒音発生やごみ放置などの発生により、施設周辺住民の生活環境が悪化することを防止するために条例案を策定するに至りました。

条例の仮称に「住宅宿泊事業法第18条に基づく」とあるのは、民泊新法第18条の条文で、都道府県などの自治体が、条例により区域を定めて民泊営業日数を制限することを認めていることによります。静岡県に限らず、国の法律に上乗せして条例で新法下の民泊事業を規制しようとする動きが全国で活発ですが、静岡県の条例案は概ね他の地方自治体が成立を目指しているものと同じような内容になっています。

静岡県の条例案は、以下①~④の区域や期間における民泊営業を禁止しています。

① 平日(国民の祝日を除く)の大学を除く学校等の周辺100mの区域内。「等」の中には認定こども園や保育所が含まれます。月曜日から金曜日の間であっても、学校等の休業日の場合は民泊の営業が認められます。

② 平日(国民の祝日を除く)の用途地域が住居専用地域に指定されている区域。住居専用地域とは、都市計画法で定められた第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種 中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域のことを指します。

③ 平日の法律(都市計画法と建築基準法)や市町の条例に基づきホテルや旅館の建築を制限している区域

④ 生活環境悪化防止が特に必要な期間中の別荘地や山間部の集落

条例案によると、静岡県内の市や町から要請があった場合は、①と②については期間の制限対象から外されます。一方的に県内の民泊事業を制限するのではなく、推進していきたいと考えている市町の事情に配慮した規定といえます。③と④については、市や町から要請があった場合に規制区域に指定するとしています。